仕事に役立つドラッカーの一言
インテグリティの意味も、環境に応じて変化する
2016年5月24日
ドラッカー学会2016年5月21日の東京大会で、東大の安冨教授が、インテグリティの意味についてのお話をされました。日本語に訳するのが難しい単語であり、その難しい単語を正しく意訳するとしても、意訳する時の、時代背景や理解する人の価値観に大きく影響を受けるということでした。ドラッカーは、あくまで30年以上も前のアメリカ企業と接して得た考えで、インテグリティを基本的な資質とした。日本では、上田惇生氏が、その頃の日本企業と、日本経済と、日本人の働きざまを見て、「真摯さ」と訳した。現在では、当然経済状況や働く人の価値観も異なるので、そのまま「真摯さ」として果たしてしっくりゆくものか、という投げかけをもらいました。「真摯さ」には、誠実とは少し異なり、「ひたむきさ」とか「事を一心に行う」という意味があり、日本人は高度経済成長にまさに、真摯に仕事に取組み、成果をあげ、その態度が長らく日本人の働き方になってきたわけですが、これからの時代に生き抜くためには、「真摯さ」だけでは足りなくないか?
時代に合わせて、インテグリティの意味も進化させなければならないのでは、と感じました。環境に変化に対応した、新しいインテグリティについての定義を考えましょう。